2022.08.02
波及事故の防止≪高圧受電設備設置者の皆様≫
波及事故とは
高圧受変電設備などで起きた事故が原因で電力会社の配電線を停止させ、同系列の配電線から受電しているビル、工場など第三者の電気設備を停電させる事故です。この結果、工場の機械やエレベーターが止まったり、交通信号機が動かなくなったり、コンピューター関係のトラブルや、夜間であれば重要な照明が消えるといったことが起きて社会問題や賠償問題になることもあります。
高圧の波及事故を防ぐためには次のような対策が必要です。
➀保護装置の設置
地絡しゃ断装置や短絡事故に対する過電流しゃ断器を設置しましょう。
また、高圧の設備は雷にも弱いので、避雷器(アレスター)も設置しておくとよいでしょう。
波及事故【自然災害『雷編』】チラシ表 波及事故【自然災害『雷編』】チラシ裏
➁信頼性の高い機器
機器は、品質性能や現場の状況に合わせた適切なものを選びましょう。
例えば、海岸に近いところでは、ケースが鉄板製ではなく、亜鉛メッキ製かステンレス製の耐塩仕様のものにするほうが得策です。また、引き込みケーブルの端末部分も劣化しやすいところですから絶縁性能の良いものを使いましょう。
➂劣化機器の取替え
適切な点検を行って異常の早期発見をするとともに、老朽化した機器は早めに取替えましょう。
機器の寿命は一概にいえませんが、屋外設置で潮風にあたるものは、数年で故障が多発するものもみられます。
➃鳥獣など小動物による接触事故の防止
高圧引込用区分開閉器上のカラスの営巣、高圧受電設備(キュービクル)内に小動物が侵入し高圧重電部に触れ短絡や地絡事故など、高圧引込用区分開閉器や高圧受電設備内で鳥獣による事故が発生するケースがあります。
電気管理技術者は、月次及び年次点検の際に小動物の侵入箇所の有無等を確認し必要な措置を講じていきましょう。
①波及事故を防止するために【小動物などの接触編】_compressed
②波及事故を防止するために【小動物などの接触編】_compressed